2018年12月07日

第5回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会<SOFNET>

 こんにちは、培養室です。今回は、第5回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会に参加しました。会場は、静岡駅から徒歩10分ほどにあるレイアップ御幸町ビルでした。
 SOFNETは、県内のがん治療医や生殖治療医が迅速かつ円滑な連携・対応を行うための「がんと生殖医療のネットワーク」として設立され、分野の異なる医師同士が互いの知見を広め、理解し合う場となっています。
 近年、がん治療の進歩により、がんを乗り越えた若年がん患者が増加しています。そして、女性に起こりうるがんのなかで、最も大きな割合を占めるのが「乳がん」です。そのため、今回「乳がん」にスポットを当てて、講演会が開かれました。
 乳がんの発症率は、他のがんと比べて、比較的若い年齢で発症するため、未婚の割合も多く治療後の人生の選択の1つに、結婚し子供のいる生活を望まれる方も少なくありません。しかし、がん治療は、精巣または卵巣の機能を低下させて生殖能力をさげる可能性が高いです。そのため、挙児希望のあるかたに対して妊孕性温存のために、がん治療の開始と同時に卵子や精子、胚の凍結などの治療を行うことで、今後の人生の選択肢を増やすことが出来ます。
 また、がんの治療法の一つに抗がん剤を使用する化学療法があり、化学療法によって抗がん剤を使用することで、がん細胞以外の細胞にも副次的に影響を及ぼし、生殖能力を低下させます。このことから、本当に抗がん剤を用いてがん治療を行う必要があるのかを検討した発表もあり、いろいろ考えさせられる内容ばかりでした。
 がん治療と生殖医療の関係は、最近話題になり始めたばかりです。そのため、施設ごとのネットワークがいまだ不十分に感じることもあります。また、この現状を改善していくため、がん治療と生殖医療の情報共有を今後も広めていこうと思います。
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第21回 日本IVF学会

こんにちは、培養室です。

10月27、28日に名古屋で開催された、日本IVF学会学術集会に参加しました。

今回の学会は学術集会ではありますが、より臨床に沿った発表が多く、今回得たことを診療や培養でも取り入れやすい発表が多かったです。
 その中で今回私が興味を持ったものは、「体外受精反復不成功(RIF)症例に対する我々の取り組み」という発表です。

RIFの国際的な定義はなく、今回発表された方の医院では「4個以上の良好胚を、3回以上移植を繰り返しても妊娠しない40歳以下の女性」とし、着床に至らない原因の因子や対策に対して話されていました。
 その原因の一つに免疫学的因子があります。

妊娠は父性抗原をもつ胚に対する攻撃(拒絶)と攻撃抑制(寛容)のバランスを保つことで正立していますが、このバランスが崩れると流産や着床障害になる可能性も出てきてしまいます。

 そのため今回、これらを数値化し、必要な方に移植2日前から免疫抑制剤を服用してもらうことにより、妊娠率や生児獲得率が優位に高い値を示すことができたようです。

 この免疫抑制剤は今年の6月に厚生労働省が妊娠中の服用を許可したばかりの薬であるため、今後の更なる研究やデータを元に参考にしていきたいと思いました。
posted by kl at 14:48| Comment(0) | 日記