2019年12月28日

第6回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会(SOFNET)

 こんにちは、培養室です。
 11月30日に浜松で開催された、第6回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会に参加しました。
 
 静岡県では若年がん患者妊孕性温存治療費の助成金の制度が新設され、経済的な支援によって、若年がん患者が望む妊孕性温存療法を受けられるようにサポートしていくことが報告されました。

 今回のSOFNETは、男性の妊孕性温存療法について注目した講演でした。
 男性のがんである精巣腫瘍は、思春期・若年成人(AYA)世代に多く、家族のなかで精巣腫瘍を発病した方がいる場合や、精液所見の悪い男性不妊症では、罹患しやすいといわれています。
 化学療法(抗がん剤)の副作用のひとつとして、生殖機能への影響があげられます。抗がん剤によって造精機能が障害され、妊孕性が低下するため、がん治療開始前に、精子を凍結保存することによって、将来子供を持つ可能性を残しておくことができます。化学療法後では無精子になる確率が高くなりますが、無精子であった場合は、精巣生検を行って精子細胞を凍結することもあります。SOFNETでは、化学療法開始前に妊孕性温存目的で生殖医療施設に紹介される方が多く、治療開始前に妊孕性温存療法の情報提供がされていると報告されていました。
 現在、精巣腫瘍は抗がん剤が著効で、予後が改善してきていると知り、妊孕性温存療法の意義は大きいと改めて感じました。

 

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2019年12月03日

第64回日本生殖医学会

こんにちは、培養室です。
 2019年11月7日、8日に神戸国際会議場で行われた、第64回日本生殖医学会に参加しました。
 生殖医療の基礎研究の講演だけでなく、栄養面、鍼灸などの統合医療、妊孕性温存療法の
講演も多くありました。
 中でも印象に残ったのは、Assisted Hatching(AHA)施行後の融解胚移植において、脱出途中胚盤胞の脱出形態についての検討です。
 受精をして胚盤胞になった胚は、拡張を繰り返すことによって透明帯(鶏の卵でいうからの部分)を押し広げていきます。その後、透明帯を破り、胚がハッチング(孵化)し、子宮内膜に潜り込むことで着床となります。このように、透明帯から胚が脱出することができないと、妊娠することはできません。
 そのため、胚がハッチングしやすいように透明帯を薄くしてあげることにより、透明帯から胚が脱出する手助けをする方法を、孵化補助法(Assisted Hatching(AHA))といいます。
 当院では、レーザーによる方法を行っており、今回の講演は当院と同様の方法でAHAをしていました。AHA施行後に胚が脱出していた場合、その脱出形態によって妊娠率に影響するのか、検討していました。
 その結果、脱出後のICMの位置、脱出割合は、妊娠率に関与せず、AHA施行後の脱出形態は妊娠率に影響しないことがわかりました。
 AHAをする割合や場所などは病院ごとに違いますが、少しでも妊娠率の向上が認められる方法があれば、今後も調べていきたいです。

posted by kl at 14:31| Comment(0) | 日記