2019年06月25日

第60回 日本卵子学会

 こんにちは、培養室です。
 2019年5月25日、26日に広島国際会議場で行われた、第60回日本卵子学会に参加しました。
 胚や精子について参考にしたいと感じた発表や、不妊治療に関する倫理など、興味深い内容が多くありました。
 中でも興味深かったのは、「ポータブルWiFiルーター由来の電磁波がヒト精子に与える影響についての検討」です。
 実験では、精子にポケットWiFiを近づけたものとそうでないもので運動性や、生存率に差はないか検討していました。その結果、WiFi由来の電磁波は、精子の運動率を低下させ、死滅率を増加させると報告されていました。
 また、このWiFiの影響は、電磁波防止シートを用いることにより、防止できるという報告もありました。
 ポケットWiFiを、ズボンのポケットに入れて使用している方も多いと思いますが、この発表をきいて、何らかの影響がある可能性がでてきたので、気を付けてみてください。
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2019年03月18日

第18回東海不妊分泌研究会

 こんにちは、培養室です。
 2019年2月16日にホテルアソシア静岡で開催された、第18回東海不妊分泌研究会に参加しました。
 不妊治療を行う先生だけでなく、精神科の先生や、再生医療の分野の先生が発表されていました。
 中でも一番興味深かった講演は、「ヒトES細胞をめぐる冒険〜再生医療からミニ臓器をつくる研究まで〜」です。
 ヒトES細胞は自己複製能と分化能を合わせもつ多能性幹細胞で、このES細胞を使って、病気の治療を目指す研究が行われています。
 今回の講演では、ヒトES細胞から、ヒトの腸管と同様の機能を有する小さい腸管をつくり出すことに成功したと報告されました。
 この小さい腸管は1cm程度のふわふわと浮遊した形状のもので、研究者らにミニ腸と名づけられました。そしてこのミニ腸は蠕動運動をし、栄養を吸収できることや、便秘薬で動きが活発になり、下痢止めで動きが停止するなど、薬に対してもヒトの腸管と同じ反応をすることが分かりました。
 これらのことから、腸の薬剤試験・開発、腸の疾患の研究や、移植が必要な方へ将来利用されていくことに期待されると感じ、今後の研究に注目したいと思いました。

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2018年12月07日

第5回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会<SOFNET>

 こんにちは、培養室です。今回は、第5回 静岡がんと生殖医療ネットワーク講演会に参加しました。会場は、静岡駅から徒歩10分ほどにあるレイアップ御幸町ビルでした。
 SOFNETは、県内のがん治療医や生殖治療医が迅速かつ円滑な連携・対応を行うための「がんと生殖医療のネットワーク」として設立され、分野の異なる医師同士が互いの知見を広め、理解し合う場となっています。
 近年、がん治療の進歩により、がんを乗り越えた若年がん患者が増加しています。そして、女性に起こりうるがんのなかで、最も大きな割合を占めるのが「乳がん」です。そのため、今回「乳がん」にスポットを当てて、講演会が開かれました。
 乳がんの発症率は、他のがんと比べて、比較的若い年齢で発症するため、未婚の割合も多く治療後の人生の選択の1つに、結婚し子供のいる生活を望まれる方も少なくありません。しかし、がん治療は、精巣または卵巣の機能を低下させて生殖能力をさげる可能性が高いです。そのため、挙児希望のあるかたに対して妊孕性温存のために、がん治療の開始と同時に卵子や精子、胚の凍結などの治療を行うことで、今後の人生の選択肢を増やすことが出来ます。
 また、がんの治療法の一つに抗がん剤を使用する化学療法があり、化学療法によって抗がん剤を使用することで、がん細胞以外の細胞にも副次的に影響を及ぼし、生殖能力を低下させます。このことから、本当に抗がん剤を用いてがん治療を行う必要があるのかを検討した発表もあり、いろいろ考えさせられる内容ばかりでした。
 がん治療と生殖医療の関係は、最近話題になり始めたばかりです。そのため、施設ごとのネットワークがいまだ不十分に感じることもあります。また、この現状を改善していくため、がん治療と生殖医療の情報共有を今後も広めていこうと思います。
posted by kl at 14:53| Comment(0) | 日記