2019年10月17日

第37回 日本受精着床学会

 こんにちは、培養室です。
 2019年8月1日・2日に新宿の京王プラザホテルで行われた「第37回日本受精着床学会」に参加してきました。5個の各会場で、全国の病院やクリニック、大学の研究室などから、様々な研究発表や臨床報告を聞くことができました。その中でも、慢性子宮内膜炎についての話題が多かったように感じられました。

 慢性子宮内膜炎は、子宮内膜の環境が慢性的に炎症のある状態で、症状としては軽度、もしくは本人が気づかないくらいの軽いものであるため、今までは、治療の対象とされていませんでした。しかし、近年、この慢性子宮内膜炎が着床に影響を与えることが明らかになり、注目を集めています。

 反復着床不全(1個あるいは2個の良好胚を3周期以上胚移植しても妊娠成立していない状態)の30%に、慢性子宮内膜炎を認めるという報告がありました。

 検査方法や、治療方法についても発表がありました。さらに、慢性子宮内膜炎が治癒した反復着床不全のかたに、不妊治療成績が向上したという報告もありました。

 着床には、良い胚を最適な時期に戻すことが最良ですが、子宮内膜の炎症が無いことも大事なポイントであることを再認識させられました。
posted by kl at 15:47| Comment(0) | 日記

2019年06月25日

第60回 日本卵子学会

 こんにちは、培養室です。
 2019年5月25日、26日に広島国際会議場で行われた、第60回日本卵子学会に参加しました。
 胚や精子について参考にしたいと感じた発表や、不妊治療に関する倫理など、興味深い内容が多くありました。
 中でも興味深かったのは、「ポータブルWiFiルーター由来の電磁波がヒト精子に与える影響についての検討」です。
 実験では、精子にポケットWiFiを近づけたものとそうでないもので運動性や、生存率に差はないか検討していました。その結果、WiFi由来の電磁波は、精子の運動率を低下させ、死滅率を増加させると報告されていました。
 また、このWiFiの影響は、電磁波防止シートを用いることにより、防止できるという報告もありました。
 ポケットWiFiを、ズボンのポケットに入れて使用している方も多いと思いますが、この発表をきいて、何らかの影響がある可能性がでてきたので、気を付けてみてください。
posted by kl at 10:39| Comment(0) | 日記

2019年03月18日

第18回東海不妊分泌研究会

 こんにちは、培養室です。
 2019年2月16日にホテルアソシア静岡で開催された、第18回東海不妊分泌研究会に参加しました。
 不妊治療を行う先生だけでなく、精神科の先生や、再生医療の分野の先生が発表されていました。
 中でも一番興味深かった講演は、「ヒトES細胞をめぐる冒険〜再生医療からミニ臓器をつくる研究まで〜」です。
 ヒトES細胞は自己複製能と分化能を合わせもつ多能性幹細胞で、このES細胞を使って、病気の治療を目指す研究が行われています。
 今回の講演では、ヒトES細胞から、ヒトの腸管と同様の機能を有する小さい腸管をつくり出すことに成功したと報告されました。
 この小さい腸管は1cm程度のふわふわと浮遊した形状のもので、研究者らにミニ腸と名づけられました。そしてこのミニ腸は蠕動運動をし、栄養を吸収できることや、便秘薬で動きが活発になり、下痢止めで動きが停止するなど、薬に対してもヒトの腸管と同じ反応をすることが分かりました。
 これらのことから、腸の薬剤試験・開発、腸の疾患の研究や、移植が必要な方へ将来利用されていくことに期待されると感じ、今後の研究に注目したいと思いました。

posted by kl at 14:33| Comment(0) | 日記